リヤカーの寅さん?


これは僕が兄と隣の小学生と御宿辺りの漁港で釣りをしていた時の話です。
漁港沿いの国道をリヤカーに駄菓子などを積んで引っ張って歩いている老人がいました。
リヤカーにはベタベタと自分の写真などを貼っています。
被っているヘルメットには「7?歳 日本横断!」(よく覚えていませんが)と書いてあり、
あからさまに自分をピーアールしていました。
僕は駄菓子やおもちゃを目にして、ワクワクして(大学生のくせに)近づいていきました。
そして
「すいませーん!駄菓子買いたいんですが〜!」
と老人を呼び止めました。
しかし、彼はうんともすんとも言いませんでした。
「ん?耳が聞こえないのかな?」と思いました。
もう一度呼び止めました。
すると、
「見てわかんないのか?今リヤカーひっぱてる最中なんだよ!
おまえ達にかまってる暇ないんだよ!」
怒鳴られてしまいました・・・。
僕の兄は頭にきている様子。
僕も「ムカッ!」っときましたが、ここは抑えて聞きました。
「でも駄菓子屋さんですよね?」
この問いに対しかれは、
「おまえ達、俺のこと知らないのか!? テレビでも取り上げられたんだぞ!」
と突然怒り出しました。
「はぁ? しりませんけどー?」
というと、
「本当に買うのか!?」
といってリヤカーを止めました。
そして突然彼は自分のことに関してピーアールしはじめました。
どうやら、リヤカーを引いて全国を回っているそうだ。
なんだか頭にくる老人で、「こんなとこで買うもんか!」と思いましたが、
ふと飾ってあるドラえもんのお面に惹かれてしまい、買ってしまいました。

「じゃあ、これください。」
値段は400円くらいだったでしょうか。僕は1,000円渡しました。
彼はお釣りを数えながらこう言い加えました。
「さっきのお客さんはね、何も買わずに1,000円くれたんだよ。
そういう方には、俺が本出したときにプレゼントするんだ。」

・・・・・・
・・・・・・・・・何言ってんの?

よく理解できません。
彼は僕に対して遠まわしにお金を要求している模様です。
「学生に対してなんて奴だ!」
頭にきました。僕は、
「そうですか。。。。。お・つ・り!」
とせかしました。

お釣りを受け取り帰ろうとすると、彼は、
「おまえ達にこれをやろう。」
と、なんとなく恩着せがましい態度で自分が取り挙げられた新聞のコピーをくれました。
写真拡大可
(プライバシー保護のため写真<顔、実名>は加工してあります。)

これにはニッコリ笑っている彼の写真が載っています。
そこには、「近づいてくる子供たちに対して愛嬌を振りまく」と書いてあります。
「なんだこりゃ? やらせか? 愛想笑いの間違いだろ?」と思いました。
だって彼を知らない僕等に対してすごく冷たいんだもん。全然しかめっ面だしさ。
頭に来ていた兄がとうとう行動にでました。
「おじさん、この写真詐欺ジャン!? なにこれ? 今と全然違うじゃん?
この新聞社に行って本当のこと喋っちゃうよ!テレビでも喋っちゃうよ!」
と言われると
「あはははは、ほら笑ったよ。」
とこちらのご機嫌をとりはじめ、リヤカーを引っ張りどこかへ消えていきました。


さて、貰ったコピーには「リヤカーの寅さん」とかかれております。
映画「男はつらいよ」の寅さんに重なるところがあるからだと思いますが、
似ても似つきません!
彼と言葉を交わして実感したのですが、彼はただ有名になりたいがために、
リヤカーを引っ張っているんだと解りました。

写真も加工しないほうがよかったかな。
検索エンジンで調べれば実名わかりますよ、たぶん。。。。

故・渥美清演じる寅さんのように出会いを大切にし、人情深い人ならば
自分を知らないってだけで、あんな態度とるはずがないもんね。
僕等がカメラ(自分を有名にしてくれるであろう媒介)でも持ってたなら、
愛想笑いの一つでもしてくれたかもしれませんが。

世の中、変った人がいるんだな と体験した日でした。(ん? 僕も変わってるって?)





追記

今日、MSNのニュース欄にこんな記事が。

「リヤカーの寅さん、全国行脚中事故死」

ええ!?


記事によると、
2日午後3時ごろ、広島県内において乗用車に追突されて亡くなったそうです。

敵ですが・・・
お悔やみ申し上げます。


事故か・・・
そういえば会ったときも、危なげな歩きかたしてたっけかな。
なんていうか、道を我が物顔に歩いていたというか・・・
二車線道路だったけど、片道通行っぽくなってたね。

一応自転車なんですが、その後ろにリヤカーを改造した屋台のようなものを 牽引していたので、意外に大きく、下手したら追突されてもおかしくないような 状況ではありました。

どんな通行の仕方をしていても、
「車から避けてくれるだろう」、という感じの通行方法だった気がする。
(自分の背後を全く気にしていなかった)

っていうか残念です。
もう一度会いたいなぁと思ってはいたんですけどね。

会いたいといっても、友達とか知り合いとしてではないです。
故人のことを悪く言うのもなんですが、はっきり言って好きな人物じゃありませんでしたし。
だって、マジあのときの態度はひどかったからね。

まあ、相手(敵)として、もう一度出会いたかったって感じかな。


まー、あのオジサンのご冥福をお祈りしましょう。

2004 04/03

五目の部屋
TOP